2008 Fiscal Year Annual Research Report
「治療的査定モデル」に基づく心理検査のフィードバックの教育プログラムの開発
Project/Area Number |
18730447
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
石川 健介 Kanazawa Institute of Technology, 基礎教育部, 准教授 (90319038)
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Keywords | 治療的査定モデル / Therapeutic Model of Assessment / 心理検査 / フィードバック / feedback / MMPI |
Research Abstract |
今年度は, 昨年度作成した心理検査の教育プログラムに改良を加えた。これまでのプログラムは, 以下のような各段階からなっていた。段階1は当該の心理検査の知識を確認する。段階2は段階1で正解できなかった場合の再学習段階。段階3は当該の検査に関する解釈を確認する段階。段階4はフィードバックをロールプレイにより練習する段階。この段階3に, 解釈の報告書を作成する段階を設けた。報告書を作成し, 解釈の妥当性について指導者から指導を詳細に受けた。これにより, 解釈の精度がより高まったと考えられる。この改良した教育プログラムを, フィードバックを業務として行ったことはない未経験者に対して実施した。その後, 心理検査のフィードバックを希望するボランティア(受検者)を募り, フィードバックを実施した。フィードバック手続きの効果を測定するため, 受検者には2種類のフィードバックを実施した。一つは受検者自身のプロフィールに基づいたフィードバックであり, もう一方は受検者のプロフィールと正反対の結果を示したプロフィールに基づくフィードバックである、フィードバック後, 受検者にはアンケート用紙の形式で複数の観点から評定を行うよう依頼した。 この結果, 受検者は自分自身のプロフィールに基づいたフィードバックの方を, 複数の観点(例えば, フィードバック時の説明の適切性, フィードバック担当者への信頼性の醸成, 自己理解の促進)から有益であると評定していた。これにより, 従来の研究で指摘されていた「バーナム効果」を分離して, 本研究の教育プログラムにおけるフィードバック手続きの有効性が示された。
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Research Products
(1 results)