2007 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症者の地域生活支援における当事者と地域をつなぐ心理学的援助に関する研究
Project/Area Number |
18730457
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Research Institution | Fukuoka Jo Gakuin University |
Principal Investigator |
重橋 のぞみ Fukuoka Jo Gakuin University, 人間関係学部, 准教授 (30412688)
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Keywords | 地域援助 / 統合失調症 / 心理教育 / 地域生活支援 |
Research Abstract |
本年度は、研究の目的に沿い、以下の2領域((1)、(2))についてそれぞれ研究を行った。 研究(1)当事者の内にあるバリア:当時者(統合失調者)を自宅住居者と援護寮住居者に分け、それぞれが抱く地域生活に対する不安と生きがいについてインタビュー調査を行い結果を論文にまとめた(福岡女学院大学大学院紀要臨床心理学)。その結果、住居形式の違いによる不安といきがいによる大きな違いはみられなかったものの、年齢による違いがあることが明らかになった。20代30代では就労や自立に対する意欲、不安の発言が多く聞かれた。発達課題に応じて地域生活上の不安や生きがいもその比重が異なるといえ、この点を意識した援助のあり方を検討する必要が示唆された。研究(2)周囲の人にあるバリア(当事者と地域住民をつなぐ研究):本年度はこの領域に関して、3つの研究を行った。(1)大学生に授業を通して継続的に当事者に対する心理教育を行い、その前後の意識の変化をデータとして収集した。この結果については、現在データの分析中である。(2)大学生(小グループ)に対して、当事者に対する心理教育を行ったセッションと当事者の地域生活に対する考えを伝えるセッション(ともに1回のみ)を行った場合の、当事者理解の変化についてデータの分析を行い、学会発表を行った(日本心理臨床学会)。両セッションとも施行後に当時者に対する理解が増すことが明らかになったが、関わる自分自身の不安は軽減しないことがわかった。(3)当事者自身が自身の体験を語る講演会を行い、当事者と直接接触することによる参加者の意識の変化についてデータを収集した。このデータについては現在分析中である。
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Research Products
(2 results)