2008 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症者の地域生活支援における当事者と地域をつなぐ心理学的援助に関する研究
Project/Area Number |
18730457
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Research Institution | Fukuoka Jo Gakuin University |
Principal Investigator |
重橋 のぞみ Fukuoka Jo Gakuin University, 人間関係学部, 准教授 (30412688)
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Keywords | 地域援助 / 統合失調症 / 心理教育 / 地域生活支援 |
Research Abstract |
本年度は産前・産後休暇取得に伴い年度の途中までの報告である。以下の2領域((1)、(2))について研究を行った。研究(1)援助者のバリア(臨床実践における援助者の当事者理解を検討する研究) : 医療援助者(看護職など)の当事者に対する日常生活場面理解と臨床心理学的援助場面による理解の変化を捉えるため、援助者のデータ(心理劇実施前後の意識を捉えるアンケート)を収集している。データの分析は休暇終了後に継続して行う。研究(2)周囲の人にあるバリア(当事者と地域住民をつなぐ研究) : 今年度までに得られた研究データの分析((1)・(2))と新たな研究の実施((3))を行った。(1)大学生に授業を通して継続的に精神障害者に対する心理教育を行い、その前後の意識の変化を分析した結果、偏見・差別に対する意識の変化が得られた(2008年度福岡女学院大学人間関係学部紀要執筆予定)。(2)精神障害者自身が直接大学生に対して自分の体験を語る講演会を行い、当事者と直接接触することによる参加者の意識の変化について、講演視聴後の感想をインタビューした。その結果、偏見や差別に対する意識変化だけではなく、「自分がどのように関わるか」という強い自我関与も含めた意識の変化があることが認められた(2008年度福岡女学院大学大学院人文科学研究科臨床心理学専攻紀要執筆予定)。(3)大学生に精神障害者に対する心理教育を再度実施した。変更点は、従来のアンケート項目に加え、上記(2)の結果(当事者の講演による視聴者の意識変化項目)も含めデータを収集した点である。研究(2)の分析は休暇終了後に継続研究を行い、地域住民と精神障害者をつなぐ心理教育のあり方を検討する。
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