2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730458
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
岡本 直子 Ritsumeikan University, 文学部, 准教授 (50389615)
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Keywords | 投影 / ドラマ / 表現 / 臨床 / 即興 / 振り返り / 見守り / 関係性 |
Research Abstract |
本研究では、ミニチュアの舞台と人形を通して即興劇を行いそれについて振り返る手続きを「投影ドラマ法(旧名称:間接的ドラマ法)」と名づけ、心理臨床場面での活用を目指すものである。平成19年度は主に以下の3点の研究成果を上げた。 第一に、心理臨床場面における表現という現象を演劇との類似性に焦点づけた研究を行い、その成果を学会発表(日本芸術療法学会第39回大会)と学会誌(「心理臨床学研究」)に発表した。心理臨床場面には「私」の役割を通してなされる表現と「私以外」の役割を通してなされる表現が存在することを事例に基づいて考察した。また、「私以外」の役割を通した表現に着目することで心理臨床場面における表現をとらえ直す手がかりを得ることが可能であるとの見解を示した。これは、自己の内的世界をミニチュアの人形の動きやセリフを通して表現する「投影ドラマ法」の心理臨床場面適用に向けての理論的橋渡しという意味で重要な意義がある。 第二に、これまで収集した調査データを分析し、「投影ドラマ法」の可能性について学術書の一部に分担執筆として発表した。こちらも「投影ドラマ法」の理論的架橋としての意義を有する。 第三に、臨床場面適用にふさわしい「投影ドラマ法」の用具に関する分析を行い,用具作成に向けての具体的な方針を固めた。背景場面(色,絵柄),人形(色,絵柄,大きさ,種類)等について検討し,概案を作成した。概案に基づき、申請者が用具作成を進めている途上にある。この作業は「投影ドラマ法」の臨床場面適用に向けた作業として不可欠なものである。
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