2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730463
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
谷内 通 金沢大学, 文学部, 助教授 (40324058)
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Keywords | ラット / 性行動 / パブロフ型条件づけ / 性条件づけ |
Research Abstract |
メスラットとの交尾を無条件刺激(US)としたオスラットに対するパブロフ型の性条件づけの可能性について検討した。メスは卵巣を摘出し,皮下に埋め込んだサイラスティックカプセルによるエストロゲンの慢性投与を行った。実験によっては,オスへの提示4-6時間前のプロゲステロンの皮下投与も行った。今年度は特に,条件刺激(CS)となる刺激条件について検討した。CSとしては,ライトの点滅,物体,場所(ケージ)について検討した。その結果,10分間のライトの点滅後にメスとの交尾を行わせた場合には,CSに対する顕著な行動の変化は認められなかった。しかし,物体刺激を用いた場合には,CS-USの対提示による物体刺激に対する接近・探索行動の明確な増加が認められた。また,物体CSに対する交尾USの提示を中止した消去段階では,物体CSに対する接近・探索行動の明確な低減が認められ,性条件づけの成立が示唆された。また,飼育ケージとは別のケージへの移動と5分間の滞在をCSとして後続の交尾と条件づけたところ,統制条件と比較して,明確な活動性と超音波発声の上昇が認められた。このように,今年度は,物体CSと場所CSに対して交尾USの随伴的提示による性条件づけが成立することを明らかにした。しかし,これらの知見はあくまで探索的なものであり,被験体数および統制条件の設定が必ずしも十分ではない。引き続き,適切な統制条件との比較を通じてこれらの現象を確認し,成果を公表する予定である。
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