2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730466
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
入戸野 宏 広島大学, 大学院総合科学研究科, 助教授 (20304371)
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Keywords | 事象関連電位 / 認知 / コンピュータインタフェース |
Research Abstract |
コンピュータを使うとき,ユーザーは能動的にコンピュータに働きかけ,その操作に対するコンピュータの応答を知覚し,さらに次の操作を選択・実行する。マウスクリックパラダイム(mouse click paradigm)は,このようなコンピュータ作業中に脳波を測定し,コンピュータに対する操作(たとえばマウスクリック)の時点にそろえて加算平均を行い,事象関連電位を求める方法である。平成18年度は,ユーザーの操作ミスに対応した脳電位がマウスクリック後に記録できるかを検討した。 マウスクリックパラダイムでは,ユーザーの期待とコンピュータの応答の不一致が,事象関連電位に反映されると考える。不一致が生じるのは,(1)コンピュータに不具合があった場合(誤動作)と,(2)ユーザーが操作を誤った場合(操作ミス)の2つである。右手利きの大学生・大学院生16名を対象に,頭皮上38部位から脳波を記録した。実験は静穏な組立式防音室内で行い,自発的に行うマウスクリック後の事象関連電位を加算平均により算出した。同一の課題に対して教示を操作することで,ユーザーの期待とコンピュータの応答の不一致の原因をコンピュータに帰属させる条件と自己に帰属させる条件を設定した。その結果,目標と行為結果の不一致の検出を反映する脳電位(エラー関連電位)は,ユーザーが操作を誤ったと認知しているときには出現するが,コンピュータの側に原因があると認知しているときには生じないことが明らかになった。現在,さらに詳しい分析を続けており,その成果を来年度の学会で発表する予定である。
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