2006 Fiscal Year Annual Research Report
逐次効率分析による同時知覚学習の動的プロセスの検討
Project/Area Number |
18730469
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
薬師神 玲子 青山学院大学, 文学部, 助教授 (30302441)
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Keywords | 実験系心理学 / 知覚学習 / 同時学習 / 注意 / 時系列 |
Research Abstract |
日常生活における知覚学習、特にパターン学習では、学習対象は単一ではなく、多数である場合が多い(例:新入生は、入学当初、構内を移動しながら、大勢のクラスメートの顔や構内の景観など、多くのパターンを学習する必要に迫られる)。このような状況下での知覚学習プロセスは、単独の知覚学習プロセスとは異なる可能性が考えられる。 しかし、知覚学習についてのこれまでの研究は、いずれも単独学習過程の解明を目的としており、複数の学習課題が同時に課せられる場合の学習過程については、殆ど検討が行われていない。本研究は、このような、同時学習状況下での学習について、その動的プロセスを解明しようとするものである。 本年度は、輝度モザイクパターンの教師あり学習を用いて、2つの実験的研究を行った。研究1では、知覚パターンの学習過程の初期・中期・後期において、注意リソースを捕捉する妨害課題を行うことが、知覚学習プロセスにいかなる影響を与えるのかを2重課題パラダイム(妨害課題は光点検出ならびに識別)を用いて検討した。結果、特に学習初期過程において、注意を必要とする妨害課題を行うことが、他の時系列位置における妨害に比べて大きな影響を持つことが示された。研究2では、PRPパラダイムを用いて、学習の各時系列位置における同時(並列)学習の影響について検討を行った。その結果、特に学習初期段階と他の段階とでは、同時学習の影響が質的に異なる可能性が示唆された。
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