2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730473
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
朝倉 暢彦 Kanazawa Institute of Technology, 人間情報システム研究所, 助手 (70308584)
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Keywords | 仮現運動 / 対応問題 / 奥行き運動 |
Research Abstract |
本年度は, 外界での可能な運動方向が複数存在するような仮現運動刺激を用いて, 物体運動のダイナミクスの知覚がどのように切り替わるのかを検討する心理物理実験を行った. 従来, 多義的な仮現運動刺激における特徴間の対応は, 2次元網膜座標上でより短い距離の運動をもたらす対応を選ぶという近接性原理に基づいてなされると主張されてきた. そして, この近接性原理が3次元空間内での反映するかどうかについては, 先行研究において議論が別れていた. そこで本研究では, 多義的な仮現運動刺激としてよく用いられるモーションカルテット刺激を3次元空間内で構成し, 対応問題の解決における3次元の拘束条件の効果を検討した. 実験では, 2次元の拘束条件と3次元の拘束条件を独立に操作し, 仮現運動知覚の心理物理関数を計測した. その結果, 得られた心理物理関数の形状は, 3次元の拘束条件によって運動対応が決定されることを示すものとなった. これは, 物体の網膜射影像上での2次元運動だけではなく, 外界における3次元運動の事前知識が内部モデルとして脳内に取り入れられ, 我々の知覚に寄与していることを示唆するものである.
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Research Products
(1 results)