2006 Fiscal Year Annual Research Report
動的分類画像法を用いた詳細な顔情報処理時空間特性の可視化とその応用
Project/Area Number |
18730480
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
永井 聖剛 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 研究員 (00415720)
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Keywords | 実験系心理学 / 感性情報学 |
Research Abstract |
初年度の本年はまず本研究プロジェクトで用いる顔刺激データベースを作成した.男性・女性それぞれ10名程度のモデルを対象にニュートラル顔,笑顔,怒顔,および驚き顔などを撮影し,これらの表情表出が適切であるか否かを評定実験によって確認,頭髪,黒子などを除去し,データベースとした.また,顔表情の動的特性を探るために用いる,模式的な似顔絵(眉,口などが様々な形に変化する)を開発し,これらがニュートラル表情,喜び,悲しみ,怒り,不満など様々な表情を表出可能であることを確認した.刺激作成作業と平行して,動的分類画像法(dynamic classification image method)を用いるための基礎的な技術開発を行い,サブサンプリングによる刺激提示法,空間フィルタリング処理を駆使した動的分類画像計算を用い,従来より遙かに少ない試行数で分類画像を計算することに成功した.これらの準備段階を経て,本年度は模式顔の静的提示による表情弁別ストラテジーを調べる実験を行った.実験結果から,若年健常者では表情を弁別する際に,「眉」よりも「口」の形態情報にウェイトをおくこと,さらに倒立顔提示ではその傾向が強くなることを確認した.したがって,アイコン顔を作成・デザインする場合に,口情報を強調すれば表情が認知されやすいことが示唆された.より少ない試行数で分類画像を計算する技術の成果普及のため,日本心理学会にて分類画像法についてのワークショップを開催した.また,国内学会に於いて実験成果の発表を行った.
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