2008 Fiscal Year Annual Research Report
動的分類画像法を用いた詳細な顔情報処理時空間特性の可視化とその応用
Project/Area Number |
18730480
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
永井 聖剛 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 人間福祉医工学研究部門, 研究員 (00415720)
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Keywords | 実験系心理学 / 感性情報学 |
Research Abstract |
前年度までに, 顔刺激データベース, 顔刺激にノイズを付加し動画提示するための刺激提示システム, および莫大な情報量のデータ分析システムを構築した. これらの実験, 分析システムを利用し, 本度は定型発達者と特殊なグループ(自閉症者)との顔認知方略を調べる実験を行った. 正答率や閾値を指標とする従来の研究手法では, 例えば, 顔画像が提示され個人弁別課題が与え, 目と口のどちらを手がかりとして重みづけているかというように非常に大まかな顔情報処理ストラテジーを示すことしかできなかった. これに対して, 本研究プロジェクトで用いている分類画像法を使えば, 非常に詳細に分析することが可能となる. すなわち, 顔のどの部分にどれくらい処理ウェイトをおくか, を画ピクセル単位で明らかにることができる.研究では, この分類画像法の利点を用いて, 顔情報処理の個人差を調べた. その結果, 定型発達者と自閉症者との間の差異を示しただけでなく, 定型発達者の中であっても処理ストラテジーには大きな違いがあること(例えば, ある人は両目の情報, 別の人は左目の一部だけを用いて人物弁別を行っていること), また自閉症者の中には定型発達者と同等のストラテジーを用いる者がいること, を明らかにした. このような個人を詳細に示した研究報告は過去に無く, 分類画像法の利点を活かしたといえる. これらのデータおよび前年度得られたデータは5月のVision Science Society年次学会, 論文誌2報として報告した.
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Research Products
(3 results)