2006 Fiscal Year Annual Research Report
保育におけるドラマ遊びの発達的意義に関する発達心理学的研究
Project/Area Number |
18730483
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤野 友紀 北海道大学, 大学院教育学研究科, 助手 (60322781)
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Keywords | ドラマ遊び / 幼児 / 発達 / 保育実践 |
Research Abstract |
本研究の目的は幼児におけるドラマ遊びの発達的意義を明らかにすることである。具体的には3〜6歳児を対象とした保育実践にドラマ遊びを導入して継続的に参与観察を行い、幼児の情動と思考の発達的変化、経験の組織化の特徴を縦断的に捉えることを目指した。平成18年度は調査フィールドの幼稚園にて各学期中に週1回のペースで放課後預かり保育時間に遊び実践プロジェクトを組織し、ドラマ遊びのデータを収集した(全3クール、年間通算18回、1回2時間)。当初の計画どおり年少児・年中児・年長児のすべての年齢の子どもから参加協力を得ることができ、全回に継続参加した子どもも多くいたので、横断的にも縦断的にも分析に耐えるデータを確保することができた。遊び実践プロジェクトの各回について、一次データのフィールドノーツとビデオデータを作成し、それをもとに活動場面ごとと子どもごとに特徴的なやりとりや変化を整理した二次的データを加工した。分析の途中経過を日本心理学会第70回大会ポスター発表、北欧教育学会(Nordic Educational Research Association)第35回大会で報告したほか、本研究の問題設定や方法論について日本保育学会第59回大会自主シンポジウム、日本心理学会第70回大会ワークショップで議論した。平成19年度は引き続き遊び実践プロジェクトを継続して縦断的データを得ることに加え、平成18年度に実施した3クールの比較をもとにドラマ遊びのジャンル分析について論文1本、ドラマ遊びにおける子どもの経験の組織化過程と保育者の役割について論文1本をまとめる。分析の途中経過に関しては適宜、日本教育心理学会、日本心理学会、日本発達心理学会、ヨーロッパ幼児教育学会(European Early Childhood Education Research Association)で報告する予定である。
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