2007 Fiscal Year Annual Research Report
「羅生門的接近」を応用した現職教員研修プログラムの開発
Project/Area Number |
18730489
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
根津 朋実 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50344958)
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Keywords | 羅生門的接近 / 校内研修 / ワークショップ型研修 / カンファレンス |
Research Abstract |
第二年次の研究成果は大きく次の三点に分けられる。 第一点は、授業を題材とした「カンファレンス」(稲垣忠彦1986『授業を変えるためにカンファレンスのすすめ』国土社などによる)の手法と、本研究課題で注目した「ワークショップ型研修」とを対比し、両者の異同を整理することにより、「ワークショップ型研修」の理論的視座を明らかにしたことである。その成果は、日本カリキュラム学会における自由研究発表により示された。また、学術論文として別途公表される予定である。 第二点は、筆者が独自に開発した校内研修の方法を、公立小学校において開発・試行したことである。すなわち、カンファレンスからワークショップ型研修への推移を手がかりとして、授業観察者のメモ書きによる授業記録を用い、これをもとに授業者を含む複数の教員で話し合うことにより、日常的かつ授業実践の結果に密着可能な、簡易版の校内研修プログラムを開発した。その改良および成果については、次年度も引き続き検討する予定である。 そして第三点は、ワークショップ型(ブレイン・ストーミング型)の校内研修がもつ特質および意義を解明するため、昨年度に引き続き新潟県上越市立高志小学校に注目し、同校教員に対しグループ・インタビューを行い、同意を得てその記録を資料として提示したことである。これは、第一年次報告書で指摘した通り、「学校生活における『羅生門的接近』型研修が帯びる『日常性』『常態化』の様相を、具体的に解明する」作業に対応する。 今年度も、上記三点に関連する資料を研究成果報告書として作成し、協力校および関係者に配布した。
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