2008 Fiscal Year Annual Research Report
「羅生門的接近」を応用した現職教員研修プログラムの開発
Project/Area Number |
18730489
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
根津 朋実 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (50344958)
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Keywords | 羅生門的接近 / 校内研修 / ワークショップ型研修 / 授業メモ |
Research Abstract |
第三年次の研究成果は大きく次の二点である。 (1) ワークショップ型研修は教員に多様性と日常性とを提供する。このことを、高志小学校教員を対象としたグループ・インタビューの記録を分析することにより解明した。すなわち、発言記録を分類し、多様性については「校内研修への認識の変化」「『レポート』による記録性の確保」「校内研修の様式 : 『持ち寄り・持ち帰り』」といった内容を見いだした。同様に、日常性については、「『普段通り』 : 『肩肘張らない』」「時間への組織的配慮 : 『厳密さと公平さ』」と分類した。 (2) 昨年度に引き続き、筆者が開発した校内研修の方法(授業メモに基づく簡便な事後指導型の校内研修プログラム)を、公立小学校の協力を得て試行した。その際、第二年次の試行結果を参考に、第二年次報告書に掲載した簡易版の校内研修プログラムを一部修正して実施した。このプログラムを実際に経験した複数教員による評価データ(ふりかえりシート)、および観察者のメモ書きによる授業記録(授業メモ)の実物について、それぞれ関係各位の承諾を得、報告書に掲載した。 今年度も、上記二点に関連する資料を研究成果報告書として作成し、協力校および関係者・関係校等に配布した。 三年間を通じ、たびたび直面したのは、「指導案の検討が授業研究・校内研修の要である」という信念が教員の間に根強い、という実態だった。一方、「他の先生の授業をもっと見たい」という意欲もまた、研修プログラムに関係した教員間に顕著に見られた。
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