2006 Fiscal Year Annual Research Report
新しい時代の共通教養と教育課程の構成に関する研究-ドイツの学校改革を事例に
Project/Area Number |
18730491
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
高橋 英児 山梨大学, 教育人間科学部, 助教授 (40324173)
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Keywords | 教育学 / 教育課程(カリキュラム) / 共通教養 / ドイツ / 学校論 |
Research Abstract |
本年度は、以下の点に関して検討を行った。 (1)Klafkiの「鍵的問題」構想で示された普通教育と共通教養の全体構想とこれに対する議論を国内外の文献により把握した。彼の構想に関しては、これまでの学校教育に見直しを迫るものとして評価される一方で、普通教育論として検討すべき論点が提出されていることが明らかになった。また、PISA学力調査以降の普通教育と共通教養をめぐるドイツの議論の動向の検討として、ドイツにおける学力問題などに関して主に国内の研究論文を中心に情報を収集した。 (2)彼の構想に影響を受けたノルトライン-ヴェストファーレン州の新しい学校構想に関する建白書『教育の未来学校の未来』で示された共通教養と教育課程の構成(教育課程全体の編成と各教科内容の編成に関する具体的指針)の全体構想の特徴を検討した。検討の過程で、「学習のパースペクティブ」として示された教育課程編成モデルの中で示された学習の7つの次元が、各教科の教育課程にどのように反映されているのかをさらに検証していくことが課題となった。なお、州の構想の評価などに関しては、現地調査で新たに得た資料やこれまで入手してきたドイツの文献などを通して目下検討中である。 (3)ノルトライン-ヴェストファーレン州の文科省において、建白書の公表後の州の改革の状況などに関して担当者にインタビューを行った。また、次年度以降に、州の教育改革のモデル校を紹介していただくなどの研究協力も要請した。
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