2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730495
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
上原 直人 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (20402646)
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Keywords | 社会教育 / 政治教育 / 選挙啓発 / 生涯学習 / 市民教育 |
Research Abstract |
本研究は、昨今の市民参加の広がりの中で、市民の政治システムへの参加が形式的・動員的にならないようにするために、学校外における学習機関において、いかに市民の地域課題、政治課題に対する意識を高め得るかを検証する目的で行われた。具体的には、ほとんどの自治体に設置され、選挙管理委員会とも連携しながら活動している財団法人明るい選挙推進協会(以下、協会)に焦点をあてて、選挙啓発活動の歴史的変遷とその特質、及び、現状の分析を行った。 平成18年度に行った研究活動は、主に以下の二点である。第一に、戦後における協会を中心とする選挙啓発活動の歴史的変遷過程を明らかにするために、戦後における選挙関連雑誌を中心に、資料収集を積極的に行った。その結果、選挙啓発活動には、単に選挙時に、投票率をあげるために行われる各種キャンペーン的な活動の他に、選挙時以外にも、市民に、選挙や政治、地域課題に関心を涵養するための政治教育が、各地で多様な形態をもって行われてきたことが明らかになった。この成果については、現在、まとめている段階で、平成19年度、20年度を目処に、学会報告、論文発表等を行う予定である。 第二に、選挙啓発活動の現状を把握するために、中部地区8県(愛知、静岡、三重、岐阜、長野、富山、石川、福井)の全市町村の選挙管理委員会、協会に対して、アンケート調査を実施した。アンケート項目の作成にあたっては、各種選挙関連雑誌、先行研究を手がかりとし、活動内容、組織の運営形態、活動を支える人の属性、地域の他機関との連携などが把握できるものとした。アンケートの分析は平成19年度に行い、その成果については、平成20年度を目処に、学会報告、論文発表等を行う予定である。
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