2007 Fiscal Year Annual Research Report
イギリスのコンプリヘンシブ改革期における共通カリキュラム論の研究
Project/Area Number |
18730504
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
二宮 衆一 Ehime University, 教育学部, 講師 (20398043)
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Keywords | イギリス / カリキュラム / 混合能力学級 / ストリーミング / コンプリヘンシブ |
Research Abstract |
本年度は、主に2つの研究佳業を行った。まず、昨年度に引き続きコンプリヘンシブ改革期の混合能力学級編成についての研究を行った。この研究については、昨年度、その普及の背景や普及に際して「Mixed Ability Teaching」という新しい教育方法を生みだしたことなどを明らかにした。本年度は、すでに入手しているA. V. KellyやJ.Evansたちの著作を考察することにより[Mixed Ability Teaching」が「個別化・個性化教育」へと主に収斂していったことなどが明確になってきた。しかし、「個別化・個性化教育」が何を意味するのか、地方教育当局や学校レベルでそれが具体的にどのような教育方法として開発されたのかは十分に明らかにすることはできなかった。そのため、本年度は計画通り、イギリスに渡り、資料収集を行った。その結果、オックスフォードの事例を扱った資料や教師教育プロジェクトで使われたワークプックなどの貴重な資料を手に入れることができた。これらの資料から当時開発された「Mixed Ability Teaching」の実態が明らかになってきており、来年度さらに研究を進め、成果を発表したい。 2つめとして、1960年代から70年代にかけてイギリスで行われたカリキュラム開発・プロジェクトに関する研究を行った。本年度は実施計画記載の通り、特に「Humanities Curriculum Project」についての考察を行った。しかしながら、入手している資料からだけでは、プロジェクトと共通カリキュラム論との関係性は不明確なままであった。そのため渡英を利用し、このプロジェクトに関わったJ.Rudduck氏の訪問を計画した。しかし残念なことに、氏は2007年3月に他界されてしまい、訪問することは叶わなかった。ただし渡英の際、新しい資料を入手できたため、これをもとに来年度もさらに研究を進めたい。
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