2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730509
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
服部 敬子 京都府立大学, 福祉社会学部, 助教授 (70324275)
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Keywords | 2歳児 / 保育 / 対の関係 / 対話 / 二人組 / 朝の集まり |
Research Abstract |
2歳児期に保育のなかでどのように「対の関係」を創出する工夫がなされ、保育者と子ども、子ども同士の関係において対話的な関係がうみ出されていくのかを明らかにするために、次の2つの方法で研究を行った。(1)文献研究:保育者自身が実践をつづった研究会誌や実践報告集、保育日誌、書籍等を収集し、実践記録のなかで「対関係の創出」がなされていると考えられる部分に着目し、それがどのような場面で行われているかを分析する。そうした働きかけに対する子どもたちの応答の発達的な変化をみる。(2)保育場面の参加観察研究:(1)保育園の2歳児クラスに週1〜2回、朝の集まりと設定保育の時間帯に参加観察を行い、保育者の働きかけと子どもたちの様子について記録する。今年度は設定保育のなかでも「リズム」の取り組みに焦点をあて、「二人組」の形成過程と交流の様子を観察する。(2)ことばの遅れがある2〜3歳児を対象とする親子教室で参加観察を行い、子ども同士のやりとりが生起しやすい遊具や環境の設定について検討する。 (1)についてはまだ分析中であるが、生活全体における最小単位としての「仲良し二人組」、朝の集まりでの「話し手-聞き手」「問い-答え」、散歩の時の手つなぎ、リズム遊びでの相手探し、ごっこ遊びでの対の役などで、対話・交流の密度を高める工夫がなされていた。 (2)の(1)では、i)保育者の問いかけに子どもたちが答えるというやりとりに始まり、子どもが順番に前に出て話し手になり、他の子どもが聞き手や質問者になるという関係までの発展が1年の問に観察された。五)保育者が必ず介在→特定の子とペアになる→拒否したりされたりしながら柔軟に相手を見つける時期への変化がみられた。(2)の(2)では、子どもの身体大の段ボール遊具が交流のきっかけとなり、暗幕を用いた舞台作りが「観る立場」の集中力を高めることがわかった。
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