2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730519
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
荒牧 草平 Gunma University, 教育学部, 准教授 (90321562)
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Keywords | 教育達成過程 / 教育機会の不平等 / トランジッション・モデル / 合理的選択理論 / 相対的リスク回避 / 教育意識 / トラッキング / 多重対応分析MCA |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画に基づき、以下の研究を行った。 研究課題1)については、わが国の学校教育制度が持つ質的・歴史的特徴、とりわけ中等教育段階におけるトラッキングや高等教育機関の多様性を考慮しながら、2005年SSM調査データの分析を進めた。その際、研究実施計画に基づき、性別や時代・世代の影響に関して、多項トランジッション・モデルによる分析を進めるとともに、同モデルによる分析の妥当性についても検討を行った。具体的には、多重対応分析MCAによって、MTモデルの前提となっている、変数間の関連の一次元性、進路変数(従属変数)と説明変数にあたる変数群との関連構造がMCAにおいても同様に認められるか否かについて確認を行った。その結果、関連の一次元性については確認できたものの、変数間の関連構造については新たな発見もあった。これらのさらなる解明については、今後の研究課題としたい。 研究課題2)については、研究実施計画に基づき、まず、不平等生成メカニズムに関する最新の研究の蒐集に努めるとともに、それらにおける理論的な説明の論理、および諸理論を実証的に検討する方法に着目してレビューを進めた。このうち、特に有力視されている相対的リスク回避仮説については、多くの実証研究も存在するが、重要概念の1つである、「(階層的地位達成に関わる)主観的な信念」には必ずしも言及されていない。そこで、これらを直接的に測定する方法の有効性を確かめるため、昨年度に引き続き新たに高校生を対象とした質問紙調査を行い、データの分析を進めた。また、親の教育意識や態度の影響についても多くの研究があるが、暗黙のうちに、それらの一次元性を仮定しているので、保護者を対象とした質問紙調査データの分析を進め、その多次元性について指摘を行った。
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Research Products
(2 results)