2007 Fiscal Year Annual Research Report
地域社会における総合選抜制実施と影響に関する実証研究
Project/Area Number |
18730523
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中澤 渉 The University of Tokyo, 社会科学研究所, 助教 (00403311)
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Keywords | 教育社会学 / 社会学 / 教育学 / 社会調査法 |
Research Abstract |
昨年度は研究計画に従い、まず当該地域の高等学校校長に調査依頼を行った。その結果、およそ半数の8校で承諾を得ることができた。新学期開始直後から5月にかけて、教室における集合自記式の質問紙調査を実施し、その結果を集計表(暫定版)にまとめた。サンプルサイズは2080となっている。現在、その結果をクリーニングし、分析を開始するところである。報告書については、最終年度の今年、印刷・刊行予定である。それに付随して、これまでの(特に細かい点については臨時教育審議会以降の)選抜制度の変革に関する新聞記事、雑誌記事、関連文書、議会における議事録の収集に努めている。特に新聞記事と雑誌記事については、内容分析を行いやすい形で整理に努めているところである。その他、本研究の質問紙調査作成時にいくつか参考にした他の調査の二次分析や、比較分析も進行中である。特に市民や保護者の教育改革に関する意識については、データが獲得できているので、その意識の潜在構造を明らかにすべく、潜在クラスモデルなどの方法を用いて研究を進めるのが今後の課題であり、その分析手続き、方法について研究中である。なお、本課題研究に関連する、教育選抜に関する著作の刊行も予定している。内容としては、選抜制度の変遷(なぜ一時期、総合選抜制のようなものが採用され、一気にその廃止が進んでいるのか、など)と、人々の抱く選抜制度に対する公平感意識の関連などについて、米国の状況などを踏まえ比較しつつ、分析を行ったものとすべく、資料を収集している。今年度中にその原稿を完成させ、出版社に提出する予定である。
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