2008 Fiscal Year Annual Research Report
トライアンギュレート法による薬物乱用防止教育の効果測定とプログラム開発
Project/Area Number |
18730526
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
白松 賢 Ehime University, 教育学部, 准教授 (10299331)
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Keywords | 薬物乱用防止 / トライアンギュレート法 / 効果測定 / 量的調査 / 質的調査 / 特別活動 / 実践プログラム |
Research Abstract |
本年は3カ年計画の3年目にあたり、ドラッグに対する児童生徒の意識調査(量的調査)とドラッグ経験者への質的調査の結果を統合的に分析し、薬物乱用防止教育の効果と課題を明らかにし、実践プログラム開発を行い、その成果を視聴覚教材とパンフレットにして地域へ還元した。 第1に小学校のメディアリテラシー育成型の薬物乱用防止教育プログラムを開発し、研究協力者の実践校において実践および効果測定を行った。その結果、特別活動(学級活動)における活動内容の文脈化を達成した場合においては、その教育効果が高いことを明らかにした。また平成14年度及び18年度に行った量的調査結果を参考に比較分析を行った結果、薬物乱用防止のための個人行動において、社会的関係の重要性及び日常生活におけるあたたかい人間関係を希求する行動の重要性を回答する率が高いことを明らかにし、この成果は日本特別活動学会第17回大会にて報告した。 第2に、量的調査(平成14年18年調査・平成20年度実践後アンケート調査結果)と質的調査(ドラッグ経験者へのフィールドワーク)の統合的分析から薬物乱用防止教育プログラムの再考を行った(量的調査と質的調査の統合分析結果は、日本特別活動学会第17回大会で報告。質的調査の方法論は日本教育社会学会編『教育社会学研究』第84集で報告)。この分析結果は社会的・精神的・身体的危険性の啓発を「一回限りの実践one shot program」にするのではなく、特別活動・生徒指導における「よりよい生き方」を希求する教育活動と関連付け、成果を高める工夫をしたカリキュラムの構築と実践開発の重要性を明らかにした。 上記の考察を踏まえて、薬物乱用防止教育の実践を向上するため、実践プログラムを視聴覚教材化し、愛媛県薬物乱用防止教育指導者講習会にて配布した(平成21年1月)。加えて薬物乱用防止教育指導者用パンフレットを作成し、愛媛県内の特別活動及び健康教育に従事する学校教員へ配布した(平成21年3月)。
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Research Products
(2 results)