2007 Fiscal Year Annual Research Report
幼児の歌唱行動の発達的研究-教育課程開発のための基礎資料の作成-
Project/Area Number |
18730534
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
水崎 誠 Hokkaido University of Education, 教育学部, 准教授 (50374749)
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Keywords | 幼児 / 歌唱行動 / 録音方法 / 家庭の音楽的環境 / 音楽の習い事 |
Research Abstract |
研究概要は2つに分けられる。 1.「幼児の歌声を録音する新しい方法」多くの先行研究で用いられる幼児の歌声の録音方法は、研究者(実験者)によって、録音のために用意された部屋(多くの場合、静かな部屋)で個別に行われるものである。この録音方法には、対象児に対してテスト不安を感じさせる問題点があった。 本研究では,幼児の歌声の新しい録音方法として、ヘッドセットマイクを用いた録音が,クラス歌唱中に幼児の歌声を個別に録音する方法として信頼のあるものかどうかを検討するために計画された。 対象児は6歳児であった。対象児は,ピアノ伴奏とおよそ30人の仲間と共に測定曲を歌った。対象児の歌声はコンピューターソフトで分析された。その結果,対象児の歌声は非常に明瞭に録音され,この方法が信頼性のあるものとして示された。 2.「家庭の音楽的環境と音楽の習い事-幼稚園児の歌唱能力との関連-」一般的に、幼稚園に通う子どもは園以外で過ごす時間が多い。幼稚園が終われば、家庭で過ごす者もいれば、習い事に行く者もいるであろう。このような幼稚園以外での体験と歌唱能力との関連性は十分に明らかにされていなかった。 結論は3つにまとめられる。第1に、幼稚園年長児の音楽的環境の特質について、子どものためのCD(カセット)を1枚(本)は所有し、コンサートに1年に1回は連れて行くが、カラオケには行かない者が半数以上いることが明らかになった。第2に、歌唱能力が高い子どもとあまり高くない子どもの音楽的環境における違いについて,歌唱能力が高い子どもは、あまり高くない子どもに比べて「コンサートにより多く参加していること」、「カラオケに行くものが多いこと」,および「母親が子どもと歌うことに対してより必要であり、より良いことだと考えていること」が明らかになった。第3に、音楽の習い事をしていることが歌唱の正確さに有益な影響を及ぼす可能性は低いことが明らかになった。
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