2006 Fiscal Year Annual Research Report
世代間交流によるエイジング学習を導入した家庭科教育プログラムの開発研究
Project/Area Number |
18730536
|
Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
土田 陽子 (角間 陽子) 福島大学, 人間発達文化学類, 助教授 (70342045)
|
Keywords | 世代間交流 / エイジング学習 / 家庭科教育 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、世代間交流とエイジング学習の導入によって、家庭科教育における福祉意識の形成および他者とのかかわりによる自己理解に寄与し、日本の教科教育でのエイジング学習実践の可能性を追究することである。本年度は、以下の点を中心に研究を実施した。 1.エイジング学習導入の可能性について、中学校技術・家庭科<家庭分野>の学習指導要領と教科書の検討をおこなった。 2.家庭科教育の専門書籍、学会誌、雑誌に加えて家庭科教育教材データベース(日本家庭科教育学会)を活用し、関連する実践事例を収集・分析した。 3.全国の中学校800校の家庭科担当教員を対象として、世代間交流およびエイジング学習に対する意識や授業への導入の可能性および授業実践に関する実態調査を行った。その結果、(1)世代間交流を導入した授業の経験は少ないものの、実施されている場合の学年は3年生、授業時間数は2時間が多かった。交流の相手は「自宅で生活している要介護度の低い高齢者」、関与の方向性は「高齢者が中学生を支援する」ものが多かった。(2)エイジング学習に関わる授業は2年生で1時間、領域は「室内環境の整備と住まい方」での実施が多かった。(3)世代間交流による授業およびエイジング学習に対する生徒の興味・関心は極めて高い。(4)授業時数が少ないこと、評価方法が不明確であること、授業実践例が少ないこと、交流相手との連携を含めた授業者の負担が大きいこと等の課題が挙げられた。 4.「ともに生きる私たち」(学習指導要領B(6)イ、A(5)ア)を題材とした学習指導計画(全11時間)と評価規準、授業案および教材を作成した。 平成19年度には実態調査の詳細な分析をすすめ、得られた知見や成果を日本家庭科教育学会、日本世代間交流協会研究会等にて報告する。また、作成した学習指導計画と授業案を実践し、その効果を検証していくとともに、担当教員に対する研修プログラムを作成する予定である。
|