2008 Fiscal Year Annual Research Report
教育課程編成・授業デザインによる初等電磁気概念形成効果の定点経年比較研究
Project/Area Number |
18730542
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
平野 俊英 Aichi University of Education, 教育学部, 准教授 (70325033)
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Keywords | カリキュラム構成 / カリキュラム評価 / 初等電磁気概念 / 概念形成 / 経年変化 |
Research Abstract |
本研究は、初等理科の主要内容であるが認知発達・学力形成の上で定着に課題がある電磁気関連単元を取り上げ、学習者が授業で行う概念形成の特徴を、教育課程、教師の授業デザイン、時代背景にある教育文化といった諸側面との関わりを探る中から明らかにし、今後の電磁気学習ひいては科学教育のあり方を考察した。1976年度末(坂元・武村ら実施)・1996年度末(平野実施)に実施した実態調査をベースに定点調査校(公立小学校)で2008年度に再実施し、経年間で結果比較分析を次の要領で行った。 1. 過去の質問紙と同一の児童向け「学習背景」「全学年共通初等電磁気課題」の選択肢質問群と、新規に児童向け「言語イメージ分析課題」の記述質問群、教師向け「理科学習実態」の質問群を用意し、分析データの拡充を図った。また、さらに同意が得られた調査校においては、内容理解の定着の上で課題があった4年生のみを対象とした質問紙調査を実施した。過去の質問紙と同一の児童向け「学年固有初等電磁気課題」の選択肢質問群を追加して実施した。 2. 各質問紙調査終了後に回答データの統計分析作業を行い、学習者の概念形成や学習背景の特徴を学年間・年度間・クラス間・学校間での比較を通じて明確にした。さらに、2つの先行研究の結果との経年比較によって、現行学習指導要領施行下における学習者の回答データの特質を浮き彫りにした。その結果については、これまで継続して行った小学校の連携教師との意見交換による知見や資料分析からの示唆なども加味しつつ、様々な解釈を集約したうえで、考察を行った。 3. 結果考察を受けて、電磁気単元に関する教育改善方法について検討を行い、具体案を案出した。その上で、今後の検証的アプローチによる研究として、新たな実験活動等の導入による概念形成への効果を測定する調査を企画立案を進めていった。
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