2006 Fiscal Year Annual Research Report
児童の認識に着目した音痴克服のための歌唱指導法に関する実証的研究
Project/Area Number |
18730547
|
Research Institution | Tokyo University of Social Welfare |
Principal Investigator |
小畑 千尋 東京福祉大学, 社会福祉学部, 助教授 (20364698)
|
Keywords | 音痴 / 歌唱指導 / 児童 / 内的フィードバック / 音痴コンプレックス |
Research Abstract |
本研究の目的は、児童の内的フィードバック(自分自身の歌唱の音高・音程が合っているかどうかの認知)と心理面に着目した音痴克服のための歌唱指導法の開発にむけた実証的研究を行うことである。研究初年度にあたる本年度は、まず、協力小学校を選定し、継続的な音楽の授業における歌唱指導の調査を開始した。観察した授業はすべてデジタルビデオで録画記録し、音楽の授業における児童の歌唱発達過程を継続的なデータとして収集し、分析を行った。同時に、担当音楽科教員に対するインタビューと意見交換を随時行うことにより、音楽科教員の「音痴」の児童に対する意識と認識の変化を明らかにすることができた。これらの調査結果は、実態調査方法・事例指導方法の検討にも反映させ、予備調査として、子どもに対する音痴克服のための事例指導を開始した。 更に、本研究の基盤研究となる、成人を対象とした音痴克服のためのグループ指導における事例指導の継続と分析を行った。その結果、音痴を克服した学生が、音痴コンプレックスを持ち、内的フィードバックができない学生に対して指導できることが明らかとなった(2007年10,月:日本音楽教育学会第37回全国大会において「『音痴』克服指導に関わる学生の指導者としての成長」を発表)。また、グループ指導に参加した学生の「音痴」に対する認識の変化が認められるとともに、個別指導とグループ指導の併用の必要性が示唆された。 これらを踏まえて、特に音程が外れる児童に対する音楽科教員の指導に着目し、小学校における対象学年を限定した上での音楽の授業観察を開始、継続している。また、児童を対象とした内的フィードバック能力と歌唱に関する意識についての実態調査を開始したところである。
|
Research Products
(3 results)