2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本語学・日本語教育の概念を応用した国語科言語事項の指導法開発
Project/Area Number |
18730548
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Research Institution | The National Institute for Japanese Language |
Principal Investigator |
森 篤嗣 The National Institute for Japanese Language, 日本語教育基盤情報センター, 研究員 (30407209)
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Keywords | 国語科教育 / 日本語学 / 日本語教育 / ロールプレイ / 話し言葉教育 / アサーション・トレーニング |
Research Abstract |
今年度は日本語教育の概念を応用した高等学校国語科の授業実践を行い,その成果を学会発表した。日本語教育の分野では,日本語教育の現場において,コミュニカティプアプローチを支える教室活動として取り入れられ,会話練習として,また社会生活に即した実践練習として高い効果があることが認められている。本研究では,高等学校国語科の授業において,このロールプレイを導入した話し言葉教育を実施し,実践の意義と課題を捉えることを目的とした(ロールプレイとは,ロールカードにより与えられる「役割,状況」に応じて会話を行う活動である)。 平成19年度当初より授業実践実施校である大阪市立桜宮高等学校の豊田誠首席と,メールでの打ち合わせを始め,平成19年4月18日に桜宮高校を訪問し,授業実践の打ち合わせ及び校長など管理職への挨拶を行った。授業実践は平成19年6月19〜20日に2クラスで2時間ずつ行った。さらに,学習効果を確認するためアンケートやフォローアップ・インタビューを実施した。 国語科教育における話し言葉教育ではプレゼンテーションやディベートなど公的場面の学習活動が多い。それに対して日常会話など私的場面の学習活動はほとんど行われていない。日本語母語話者は日本語能力が高いので,私的揚面の学習活動は不要だと考えられているのかもしれない。しかし,現実には日本語母語話者でも自分の「思い」を伝えられず梅しい思いをした経験,本来の意図と違って伝わって誤解された経験もあるはずで,その重要性は高く,私的場面の学習活動導入は大きな課題である。 指導要領にもある「自分の考えをもって論理的に述べたり,相手の考えを尊重して話し合ったりすること」を達成するためには,日本語教育で会話教育としてノウハウが蓄積されたロールプレイを導入することの意義は大きいことが確認された。
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