Research Abstract |
昨今,青少年はもとより国民の「科学技術離れ」についての懸念が多々指摘されており,現在,それらの対策があらゆるところで講じられている.本研究では,理科教育教材であるモデルロケットを用いて,小中学生の知識や工作能力と実際に利用されている技術例や応用例とを結んだ中間の教材を開発することを目的とした.今年度は,「モデルロケット設計支援ソフト」の改良と「簡単な積載用電気電子装置」の設計・試作を行った. 昨年度作成した学習型モデルロケット設計支援ソフトにおいて,今年度も昨年度に引き続き利用調査を行った.今回の調査は,少数ではあるが,理科・科学技術に対して興味関心が薄い文系大学生まで行った.調査の結果,もう少しグラフィカルにしてほしいという要望が寄せられた.そこで,学習用語集及び解説において,(1)用語集の収録語集の増加,(2)関連する用語間のハイパーリンク化,(3)画像やアニメーションの充実,(4)簡易設計モードのバグ修正を行った. また,積載用電気電子装置に関しては,初心者が使用する市販小型ロケットキットを用いて,身近な材料で積載空間を設ける方法の考案,(2)製作難易度別の積載装置の考案・試作を行った.今回,積載空間は,初心者が使用する小型ロケットを考慮し,直径24[mm],高さ75[mm]以内の円柱状の空間とし,積載重量は20[g]以下とした.積載装置は,実際の航空機を参考に,自機位置を知らせるLEDフラッシャー回路から加速度などの計測装置までの難易度別のラインナップを数種類検討・試作し,現在もそれを継続しているところである.
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