2006 Fiscal Year Annual Research Report
ダウン症者の加齢にともなう能力低下に対する心理・行動機能維持プログラムの開発
Project/Area Number |
18730561
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小島 道生 長崎大学, 教育学部, 講師 (50362827)
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Keywords | 障害者教育 |
Research Abstract |
平成18年度は、ダウン症者の加齢にともなう能力低下に対する心理・行動機能維持プログラムの開発に向けて、まず日本における能力低下などに対する支援の現状を明らかにするために、全国47の都道府県の知的障害者関係施設に対して、実態調査を行った。さらに、離島地区などにも配布し、地域環境や人的資源など環境面での違いの大きい、大都市、中核市、離島地区などとの地域比較研究を実施した。その結果、わが国の知的障害者関係施設における、運動能力、言語コミュニケーション能力、健康管理などに対する支援は、各施設で類似した名称によって取り組みが行われているものの、その実施の内容・方法には、違いがあった。また、地域で比較を行ってみると施設内などで行う活動に大きな違いはなかったが、他機関との連携、社会的資源の活用などの点において違いが認められていた。 次に、ダウン症者などの知的障害者の能力低下に対するプログラムを開発・実践し、世界最先端の研究成果をあげているイリノイ大学のRehabilitation Research and Training Center on Aging with Developmental Disabilitiesに訪問し、視察・資料収集を実施した。併せて、離島地区(五島)や大都市(福岡)の関係施設を訪問し、支援の実態について調査を行った。そして、イリノイ大学の視察で得られた情報・資料と全国調査、及び訪問調査などの研究結果を基に、予備的段階のダウン症者の能力低下に対する心理行動機能維持プログラムを開発した。プログラムの有効性を検証するために、事例検討をダウン症者数名に対して実施した結果、対象者自身の理解度に合わせた内容にするという点などで課題が明らかとなった。
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