2007 Fiscal Year Annual Research Report
対数的p進解析による数論的多様体の相対的リジッドコホモロジー及びホモトピーの研究
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18740002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
志甫 淳 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (30292204)
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Keywords | クリスタル / リジッドコホモロジー / 対数的代数多様体 / 収束コホモロジー / p進解析 / 過収束性 |
Research Abstract |
本研究の目的は対数的p進解析を用いた相対的なp進解析的コホモロジーに関する研究である.標数p>0の完全体上の代数多様体間の射f:X→YとX上の過収束アイソクリスタル(係数)Eが与えられた時にその相対的リジッドコホモロジーが定義されるが,射fが固有かつスムーズな時にそれが連接となり,かつ自然なY上の過収束アイソクリスタルの構造を持つこと(連接性,過収束性)がBerthelotにより予想されている. 今年度は,YがスムーズであるかまたはEがフロベニウス構造を持つという緩やかな仮定の下でBerthelot予想のあるヴァージョンを証明した.またfが固有でない場合,スムーズでない場合にも,Eがフロベニウス構造をもち,かつEに対する半安定還元予想を仮定した場合に,相対的リジッドコホモロジーがYのある稠密な開集合上で連接性,過収束性を満たすことを証明した.証明の要点は良い超被覆の構成,都築のコホモロジー的降下定理,基底変換定理,Kedlayaによる過収束アイソクリスタルの貼り合わせの定理および種々のp進コホモロジーの比較定理である.そのために半径付相対的対数的収束コホモロジー,半径付相対的対数的解析コホモロジー,半径付相対的対数的リジッドコホモロジー等のp進コホモロジー理論を新たに定義し,その基本的性質を調べた. また,東京電機大の中島幸喜氏との共同研究である開多様体のスムーズな族の相対的対数的クリスタルコホモロジーに対する重み篩,重みスペクトル系列に関する共著の改訂を行った.
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Research Products
(1 results)