2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740006
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小林 真一 名古屋大学, 大学院多元数理科学研究科, 助手 (80362226)
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Keywords | P進L関数 / 岩澤理論 / アーペル多様体 / 虚数乗法 / オイラー系 / 母関数 / 楕円曲線 / L関数 |
Research Abstract |
今年度は坂内健一氏と共同で虚数乗法をもつ楕円曲線の通常素点におけるP進L関数のチータ関数を用いた新しい構成について論文にして、アーカイブに発表した。また超特異素点においてもSchneider-Teitelbaumの理論をさらに精密化することによりある種の2変数P進L関数を構成することができた。この関数は2変数を動かしたときの合同関係式を体現するものではないが2変数可除性をシステマティックに表すものである。超特異素点においては2変数P進L関数についてまったく未知の状況であったので、この結果はこの方面に関して本質的な一歩を与えるものである。この結果もほぼ論文の形にし近々アーカイブに発表予定である。.また坂内健一氏、辻雄氏とともに虚数乗法をもつ楕円曲線のP進L関数を作り出す母関数のテータ関数を使った特徴付けを用いて、Beilinson-Levinの楕円ポリログの簡明な構成法を与えた。またこれによりBeilinson-Levinの仕事のp進化も可能になった。これはすでに論文として発表できる形になっており、最終チェック段階である。高次元のアーベル多様体に関しては、種数2のアーベル多様体においてP進L関数と関係のある母関数がある種の調和微分方程式を満たすことを発見した。この調和微分方程式の解の代数的取り扱いなどがわかれば、虚数乗法をもつアーベル多様体のP進L関数のまったく新しい構成法を与えることになり、単数やオイラー系構成に関し本質的な進展を与えることになる。これに関しては来年度も引き続き研究していく予定である。
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