2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740006
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小林 真一 Nagoya University, 大学院・多元数理科学研究科, 助教 (80362226)
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Keywords | 岩澤理論 / p進L関数 / CMアーベル多様体 / 数論幾何 / ゼータ関数 |
Research Abstract |
今年度の成果は次の3つの論文にまとめられる。1.坂内健一,辻雄氏との共同研究『On the real Hodge and p-adic realizations of the Elliptic Polylogarithm for CM elliptic curves』,及び坂内健一氏との共同研究2.『Integral structures on p-adic Fourier theory』3.『Two variable divisibility on critical values of Hecke L-functions of imaginary quadratic fields』.いずれも前年度からの継続研究であるが,1に関しては論文を完成させ,投稿中である.また昨年度はsupersingularな場合にギャップがある箇所があったが,本質的に新しいアイデアを出す事により理想的な形で解決された.2つ目の論文に関しても昨年度よりも飛躍的に精度をあげることができた.これらの論文の内容を説明すると最初の論文はCM楕円曲線のPolylogarithmの実現をHeckeL-関数のnon-criticalな値やSchneider-Teitelbaumのp-adic Fourier理論を使って定義されるp-進L関数のnon-criticalな値と結びつけるものである.手法は坂内氏との以前の研究で使ってTheta関数を本質的に使うものである.Polylogarithmは一般にCMアーベル多様体に対しても定義されており,それらに対しても様々な実現を計算することはBeilinson予想らの観点から非常に興味深いものである.とくに我々の手法はTheta関数というアーベル多様体における基本的な関数を使い,Polylogarithmの簡明な構成を与えることに基づいており,Beilinson-Levinのオリジナルと比べても非常に代数的な構成となっている.2つめの論文はp-進L関数を構成するときに使うp-進measureの理論の一般化であるSchneider-Teitelbaumのp-adic Fourier理論をさらに整備するためのものである.とくにsupersingularなときはこの整備は不可欠なものである.一般の局所体におけるdistributionの非常によい評価を得た.3の論文では2の論文の応用として虚二次体のHecke L-関数のcritical valueのp進加除性に関して組織的な評価をあたえた.これはsupersingularなときの2変数p進L関数の存在と関わるものである.
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Research Products
(4 results)