2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740016
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
石井 卓 Seikei University, 理工学部, 准教授 (60406650)
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Keywords | Whittaker関数 / Rankin-Selberg法 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き実リー群上のWhittaker関数の明示的な表示について研究を行つた。クラス1主系列表現に対するWhittaker関数については、A型、B型の場合には既に群の実階数に関する帰納的な関係式を得ていた。本年度はD型の場合の研究に取り組んだ。A型、B型と同様のタイプの関係式は5年ほど前にテータリフトを手がかりにして予想はしていたが、今回、緩増加Whittaker関数を、第2種Whittaker関数(=Whittaker関数を特徴付ける偏微分方程式系の確定特異点のまわりでのべき級数解)の線形結合で表す「分解公式」を使うことにより、その予想を証明することができた。 クラス1ではない主系列表現に対するWhittaker関数は、一般にはベクトル値関数となりクラス1の場合に比べてかなり複雑になる。SL(n,R)の場合に、織田孝幸氏(東京大)との共同研究において極小K-typeに付随するWhittaker関数を、偏微分方程式系の解析を通じて調べ明示公式を完全に与え、論文にまとめた。 球関数の明示公式の保型L関数への応用として、GL(3)のスタンダードL関数に対するゼータ積分の実素点における計算に取り組んだ。無限素点において主系列表現を生成している場合を考察した。GSp(2)の場合に森山知則氏(大阪大)と行った研究とよく似た状況で、ゼータ積分は局所L因子とBarnes積分の積になるが、大域的な関数等式を得ることができた。
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Research Products
(2 results)