2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740021
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
西来路 文朗 Hiroshima International University, 工学部, 准教授 (40352025)
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Keywords | 代数学 / 数論 / Abel 多様体 |
Research Abstract |
ビルディングブロックとはQ曲線やGL_2-typeのアーベル多様体を一般化した代数体上定義されたアーベル多様体である。一昨年度、Q上の楕円曲線の有理的ねじれ群に関するMazurの結果を、山内卓也氏との共同研究でQ曲線に一般化した。学術論文として、現在投稿中である。 本年度は4月以降、本科学研究費の助成により、代数学をはじめ数学一般の文献を充実させた。そして、昨年度得た代数曲線のヤコビ多様体の形式群の構造に関しての結果を学術論文(投稿中)にまとめた。超楕円曲線のヤコビ多様体の形式群の整数環上のモデルは、種数1の場合は古典的に、種数2の場合は、Flynn、Grantにより知られていたが、今回の結果は、任意の種数に関して、モデルを構築した点が新しい。 また、本科学研究費の助成により、7月に英国エジンバラ大学で開催された国際シンポジウム「JourneesArithmetique」において、ビルディングブロックの形式群に関し講演を行った。海外の研究者との研究交流もはかれ、有益な研究集会参加となった。 代数体上定義されたアーベル多様体の有理点のなす群は、Morde11-Weilの定理により有限位数のねじれ群とランク有限の自由アーベル群の直和となる。10月以降は山内卓也氏とランクに関しても研究をすすめ今井秀雄氏の結果を、Faltingsの結果を用いて一般化した。現在論文として準備中である。 12月以降は虚数乗法を持つQ曲線について研究し、形式群に関して結果を得た。1月の東北整数論研究集会で講演、現在論文として準備中である。Q曲線の定義体がQ上アーベル拡大とは限らない点が新しい。 また、最新の研究成果交換の場として7月に開催された広島整数論集会に世話人として参加した。8月に開催された整数論サマースクールではプログラム編成に携わり、ヤコビ多様体の形式群について講演した。
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Research Products
(1 results)