2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740023
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
永野 幸一 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (30333777)
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Keywords | 幾何学 / CAT(0)空間 / アダマール空間 / アレキサンドルフ空間 / CAT(1)空間 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は以下の通りである. 昨年度までに引き続き, Lytchak氏(ボン大学/マックスプランク研究所)との曲率が上に有界な距離空間に対する求積可能性, 局所位相正則性, 曲率が上に有界なホモロジー多様体の局所錐性, CAT(1)空間に対する球面定理などの一連の共同研究を研究論文の完成に向けて推進した. その過程で, 非コンパクトの場合も適用できるようなCAT(1)空間に対する球面的結距離的安定性定理や, 曲率が上に有界なホモロジー4次元多様体に関する構造定理など有用な新たな知見を得ている. これらは非正曲率距離空間に代表される曲率が上に有界な距離空間の位相構造に関する汎用性の高い結果である. これらの成果は現在準備中の研究論文に加筆する形で執筆する予定である, また今年度もKleiner氏(イェール大学), 塩谷氏(東北大学), 山口氏(筑波大学)との曲率が上に有界な2次完距離空間の局所構造と自然な曲率測度に関するガウス・ボンネ定理などの共同研究を研究論文の完成に向けて推進した. さらにLytchak氏とは, 今年度から2次元CAT(1)空間に対する直径剛性の問題に向けて共同研究が本格的に始まった. この問題へのアプローチとして, 2次元CAT(1)空間に対してある条件下のもとで, 球面的錐状近傍の存在性などを示し, 2次元球面的ビルディングに対するある距離的特徴付けを得た. なお本年度を通して, 当初の研究実施計画に基づき, 国内での研究調査や研究者交流を積極的に行った. 特に本年度は海外渡航として, ボン大学(ボン, ドイツ連邦共和国)に半月ほど滞在して, 最近の共同研究者である上述のLytchak氏と研究打ち合わせを行い, 新たに有意義な成果を得た.
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Research Products
(1 results)