2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740025
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
保坂 哲也 Utsunomiya University, 教育学部, 准教授 (50344908)
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Keywords | CAT(0)空間 / CAT(0)群 / Coxeter群 / Davis複体 / 境界 / asymptotic次元 |
Research Abstract |
非正曲率空間(CAT(0)空間)とその「境界」とよばれる一般に非常に複雑な空間, および, CAT(0)空間に幾何学的に(ココンパクト, 離散に)作用するCAT(0)群とよばれる群の研究を行った。また同時に, CAT(0)群とCAT(0)空間の重要な例であるCoxeter群とDavis複体およびその境界の研究も行った。 Coxeter群とDavis複体およびその境界に関する研究については, 境界の複雑さを捕らえるために導入した力学系の概念である「極小性」に関して, これまでに特にright-angledの場合について得られた研究成果のさらなる一般化に取り組み, 研究の進展がみられた。また, 一般のCAT(0)群の構造に関する研究成果を得た。CAT(0)群の中心が無限の場合には, CAT(0)群は半直積で分解できることを示し, この研究成果により, 一般にCAT(0)群(およびそれが幾何学的に作用するCAT(0)空間とその境界)を理解する上で, 中心が有限なCAT(0)群の研究が本質であることを得た。 Gromovによって導入されたasymptotic次元に関する研究は, 本関連研究分野において, 現在, 非常に活発に研究がなされている話題であるが, その中でも特にCAT(0)空間とCAT(0)群のasymptotic次元については未解決で重要な問題が数多く残されている。本研究では, 沖縄高専の知念直紹氏との共同研究により, 一部の低次元のCAT(0)空間のasymptotic次元に関する研究成果を得た。また, 同共同研究により, 一般のCAT(0)空間のasymptotic次元とその境界の被覆次元の間の関係に関する研究を進展させている。
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