2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740030
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
新國 亮 金沢大学, 教育学部, 助教授 (00401878)
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Keywords | 空間グラフ / Simon不変量 / アキラル / 正則射影図 / 非自明射影 / 正則射影図 |
Research Abstract |
本年度は,以下の研究を行なった. 1.2成分有向絡み目は,無向絡み目としてその鏡像とアンビエント・イソトピックであるときアキラルと呼ばれ,2成分有向絡み目のアキラル性はその絡み数に依存することがKirk-Livingstonによって示されていた.また,絡み数のアキラル絡み目による実現性について,Livingston,Kidwellによって部分的結果が得られていた.そこで,谷山公規氏(早稲田大学)との共同研究により,アキラル性を含む2成分絡み目の各種対称性と絡み数との関係を実現問題も含めて完全に決定するとともに,空間グラフのホモロジー分類において2成分絡み目と、ともに重要な役割を担っている,空間5頂点完全グラフ及び空間3+3頂点完全2部グラフについて,その各種対称性とSimon不変量との関係を,やはり実現問題も含めて完全に決定した. 2.非平面的グラフの空間埋め込みにおいては,自明性の一般化としての標準的空間埋め込みの概念が未だ満足な形では得られていない.そこで小林一章氏(東京女子大学)との共同研究により,非平面的グラフについて,その極小埋め込みと呼ばれる新たな空間表現を定義した.この概念は,埋め込みの一意性を除いては,標準的空間グラフとして期待される性質を保有している.また,平面的グラフの2次元球面への正則射影は,3次元球面へのいかなる自明な空間グラフにも持ち上がらないとき非自明射影と呼ばれ,非自明射影を持ち得ない平面的グラフは自明化可能であるといわれるが,我々は極小埋め込みの概念を用いてこれらを一般化し,新たに非平面的グラフの非極小射影,及び極小化可能性の概念を導入し,幾つかの結果を得た.
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