2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740033
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
鳥巣 伊知郎 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (50323134)
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Keywords | 接触構造 / 横断的結び目 / ルジャンドル結び目 / 2橋結び目 / フロント射影図 / 2-adjacency relation |
Research Abstract |
本年度の研究上の成果は大きく分けると次の3つとなる。 (1)3次元球面上の標準的接触構造に対する、横断的結び目とルジャンドル結び目の古典的不変量の研究。具体的には結び目が位相的にダブルになっている場合に、古典的不変量の値のとりうる範囲に対するある評価を与えた。証明の主な部分は、ダブルの箇所より自然に張ることのでさるクラスブ円盤を用いた幾何的な議論で与えられている。 (2)ルジャンドル結び目のフロント射影図の研究。フロント射影図の系統的な研究は結び目の位相型が自明な場合にはEliashberg-Fraserによる研究結果があるが、位相的に非自明になると系統的な研究はまだなされていないように思われる。そこで、結び目の位相型がツイストになっている場合にGirouxによる凸曲面の理論を用いながら、フロント射影図の形に関するある種の制限を得た。 3)絡み目の2-adjacency relationに関する研究。絡み目の有限型不変量の研究から派生した比較的新しい概念として、2つの絡み目間の2-adjacency relationというものがある。これについては推移律は成り立つが反射律はほとんどの場合に成り立たないことが知られている。そこで、2つの2橋絡み目の間に2-adjacency relationを成り立たせる強い障害的条件を得ることができた。その条件は2橋絡み目を区別する不変量の言葉で与えられ、証明には最近の例外的デーン手術の結果が応用されている。 また、8月にはスペインのマドリードで催された国際数学者会議に参加した。そこでは多数の研究者と交流することにより、上記の研究成果を更に発展させるための意見交換等を活発に行うことができた。
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