2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740035
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
平澤 美可三 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (00337908)
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Keywords | 幾何学 / 結び目 / 組紐 / ザイフェルト曲面 / ファイバー結び目 |
Research Abstract |
1.サテライト結び目のファイバー性について: 結び目の補空間が曲面束の構造をもつとき,ファイバー結び目であるという.衛星化によって構成される結び目について,それがファイバー結び目になるかを判定するクライテリアを,D.シルバーと村杉邦男氏との共同研究により二つ開発した.一つは代数的なもので,補空間の基本群から整数へのある写像の核の有限生成性によるものであり,もう一つは幾何的なもので,パターン結び目にさらに二成分を加えた絡み目のファイバー性を使うものである.これらはブルデ・ツィーシャンの有名な教科書の初版の誤りを正しており,次版のものより分かりやすく,また使いやすくなっている.論文では更に,自明結び目でさえ衛星化するとファイバーになる場合やならない場合があり,興味深い例の無限列を与えている. 2.有理絡み目の組紐化について: 有理結び目の組紐指数は村杉氏によって91年に決定されている.この度,有理絡み目を組紐として表すにあたって紐数,および(ある生成系に関して)長さを最小にする効率的なアルゴリズムを開発した.そこでは,有理絡み目の最小種数ザイフェルト曲面を変形しながら,組紐の上に自然に配置できることを示している.そのような配置にできるものをベネキン標準形というが,指数4の組紐については,4本組紐上ではベネキン曲面を持てない絡み目の存在は既に示しており,有理絡み目では組紐指数がいくらでも大きいものが存在することを鑑みると興味深い結果となっている. 3.ザイフェルト曲面の標準形について: 既に小林氏-降旗氏との共同研究によって開発済みのザイフェルト曲面の標準形(flat plumbing basket)についてルドルフ流の,エスパリエー標準形からの再考察を行いエスパリエーに対応した形で主結果を述べ直した.また,その考察により新たな問題を提起した.
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Research Products
(1 results)