2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740035
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
平澤 美可三 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 准教授 (00337908)
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Keywords | 結び目 / ファイバー絡み目 / 不変量 / アレクサンダー多項式 |
Research Abstract |
本研究においては、結び目、絡み目を境界としてもつ曲面に注目し、その性質を調べてきた. 重要な位相的性質として結び目補空間のファイバー性が挙げられる. これを幾何学的側面と代数的側面の両サイドから調べるために、トロント大学の村杉教授と共同研究を行っており、曲面によるファイブレーションを実際構成する一方、構成できものについてはその非存在を証明してきた. そこで重要な役割を果たしたのはアレクサンダー多項式と呼ばれる、結び目の位相不変量であった. アレクサンダー多項式は結び目の張る曲面からも算出されることから結び目の曲面とはよく馴染む不変量である. この不変量は「捻りアレクサンダー多項式」と呼ばれる多項式に一般化され、ファイバー性などの研究にも活かされている. 一方この新しい不変量には未知がことが多く、これを使いこなすために更に詳しくその性質を調べたファイバー性については、二橋結び目や二橋絡み目から構成される結び目についてアレクサンダー多項式に関連した研究を行ってきたため、特に二橋結び目について、その補空間の基本群の様々な表現を用いて捻りアレクサンダーの性質を調べた. 具体的にはメタサイクリックやメタアーベリアンな表現を用いた. 成果として、位数2pの二面体群に表現を持つ二橋結び目について、その捻りアレクサンダー多項式は特別な形に因数分解される事を示した. 次に4の交代群に表現をもつ二橋結び目について、その捻りアレクサンダー多項式はtの三乗の多項式になることを示した. これらの結果は更に一般的な表現をもつ結び目の捻りアレクサンダー多項式に関する予想にもつながり、今後の発展が期待される.
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Research Products
(6 results)