2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740036
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
本間 泰史 東京理科大学, 理工学部, 助手 (50329108)
|
Keywords | 幾何学 / ディラック作用素 / カシミール元 / ツイスター / 四元数ケーラー多様体 |
Research Abstract |
本研究は,ホロノミー群に付随した一階微分作用素(以下,gradient)を考察することにより,微分作用素を用いた統一的な幾何学理論を探ることが目標である. 今年度は,対称空間上のgradientに対する研究を主に行った.対称空間上の同伴ベクトル束上のラプラス作用素を,対称空間の言葉を用いて具体的に書き下した.特に,複素射影空間上の正則同伴ベクトル束に対する正則切断の空間の次元,最高weight,ラプラス作用素の固有値を具体的に計算した.この手法はラブラシアン作用素にのみ適用できるもので,目標であるgradientのスペクトル分解には届いていない.いくつかの手法が考えられるが,カシミール作用素のカペリ恒等式を用いる方法を,現在,試みている. 今年度の8月から9月にかけて3週間,チャールズ大学(チェコ)に滞在し,クリフォード解析及びパラボリック幾何に精通しているSoucek教授らと議論を行った.その結果,Branson-Olafsson-0rstedによるスペクトルの計算手法が,四元数射影空間の場合に適応可能であり,gradientの固有値の計算が理論的には可能であることを突き止めた.また,ラリタ-シュインガー作用素の固有関数の具体的表示に対しても議論した.どちらも現段階では未解決であり,現在,研究中である.また,最近になって,Semellmann-Weingartが,gradientに対するワイゼンベック公式について斬新かつ統一的な結果を発表した.彼等の結果から,本研究がさらに進展することが予想される.これまでの研究代表者による研究と比較し,彼等と共同で本研究の今後の発展や応用ついて議論をする予定である.
|
Research Products
(1 results)