2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740036
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
本間 泰史 Waseda University, 理工学術院, 准教授 (50329108)
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Keywords | 幾何学 / ディラック作用素 / コーシー核 |
Research Abstract |
研究目的:ディラック作用素の一般化となるホロノミー群に付随した一階微分作用素の性質を調べ,微分幾何学,大域解析学へ応用することが主目的である.具体的には,微分作用素の零固有関数の幾何学的な性質の考察とその応用,楕円型となる微分作用素に対する熱核やコーシー核の構成,対称空間上の微分作用素に対するカシミール元を用いたスペクトル公式の構成などである. 研究方法と研究成果: (1)Semmelmann-Weingartによるワイゼンベック公式の結果と本研究の関連性を調べ,本研究の新たな方向性を探った.今のところ目立った研究成果は得られていないが,G2やSpin(7)という特殊ホロノミー群については,これまでの研究代表者の方法によって,より精密なワイゼンベック公式を構成できることが予想される.また,Hitchinらによる一般化複素幾何学に対して本研究の方向による考察を行っているところである. (2)複素射影空間及び四元数射影空間上の一階微分作用素のスペクトル公式とカペリ恒等式との関連性を明らかにするため,カペリ恒等式をどのように複素射影空間上で実現するかについて,その土台の構成を試みた.しかし,展開環の非可換性を,カペリ恒等式を利用してどのようにして突破するかの問題があり,現在も考察中である. (3)3次元および4次元球面上のラリタシュインガー作用素の固有関数の球関数表示を行い,その結果からコーシー核の一般化の構成を行うことを試みた.この方向の専門家であるDavid Eelbodeとコンタクトをとりながら研究を行っているが,今のところ目立った研究成果は得られていない.
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