2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740041
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梁 淞 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (60324399)
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Keywords | 量子場 / $ phi_3^4 $-モデル / フリー量子場 / ウィック・パワー / 部分積分公式 / Hida分布 / Levy-Khinchine表現 |
Research Abstract |
今年度は主に高次元の量子場に関する研究を行った。具体的には、次のテーマについて研究した。 まずは$ phi_3^4 $-量子場モデルにおける部分積分公式についての研究である。一般的に、$ phi_d^4 $-量子場モデルとは、d次元のNelsonユークリッド・フリー量子場において、相互作用の主要項がウィック4乗で与えられるものである。d=2の場合に関しては色々な性質がよく知られているが、高次元な場合に関しては、まだ研究が少ない。本研究はd=3の場合において、部分積分の公式を与えた。また、この部分積分公式に現れる対導係数は、カットオフの極限として与えられているが、当該収束は$ L^1 $収束のみであり、$ L^2 $収束ではないことも明らかにした。 また、高次元フリー量子場の正規化平方についても研究を行った。$ phi $を前述のようなd次元Nelsonユークリッド・フリー量子場とし、$f$を急減少な滑らかな関数とする。このとき、$ phi (f) $は確率変数として自然に定義されるが、さらにウィック平方$ :phi^2: (f) $を考えることもできる。このウィック平方がHida分布であることはよく知られているが、もしさらに確率変数でもあるならば、これを用いて多数の無限分解可能なユークリッド場をつくることができる。3以下のdについいては、前述の$ :phi^2: (f) $は確かに確率変数であることが知られていて、4以上のdについても同じ結果が期待されていた。しかし、この研究は、4以上のdについて、ウィック平方$ :phi^2: (f) $は確率変数でないことを証明した。
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Research Products
(2 results)