2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740041
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梁 松 Tohoku University, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (60324399)
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Keywords | 量子場 / フリー量子場 / ウィック指数関数 / Hida分布 / Hoegh-Krohnモデル / ラテス近似 |
Research Abstract |
今年度は主に高次元フリー量子場上の繰り込み平方および量子場のラテス近似について研究した。具体的には、次のような研究を行った。 まず、高次元フリー量子場の繰り込み平方について研究を行った。$ \phi $はd次元ネルソン・ユークリッド・フリー量子場とし、$f$は滑らかな急減少関数とする。このとき、ウィック平方$:\phi^2:(f)$はHida分布であることがよく知られているが、確率変数でもあることが期待されていた。なぜならば、もしこのウィック平方が確率変数であるならば、これを用いて多数の無限分解可能なユークリッド量子場を作ることができるからである。この研究では、時空次元dが4以上であれば、前述のウィック平方は必ず確率変数になれないことを証明した。 また、Hoegh-Krohn量子場モデルにおけるラテス近似に関する研究も行った。Hoegh-Krohn量子場モデルとは、直感的には、ネルソン・ユークリッド・フリー量子場に、ウィック指数関数で与えられる相互作用が入れられたものである。このモデルに限らず、一般的に、直感的に与えられた量子場に厳密的な数学意味づけをするのは常に量子場理論の重要課題の一つである。そのために、ラテス近似がよく用いられる手法である。Hoegh-Krohn量子場モデルにおいて、フリー項と相互作用項に同じラテス近似を用いるときの極限の存在性は良く知られていたが、この研究では、異なるラテス近似を用いる場合についても極限の存在性を証明した。
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Research Products
(2 results)