2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740041
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
梁 松 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (60324399)
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Keywords | 拡散過程 / 古典力学系 / 量子場 / $\phi_34$-モデル / ウィック・パワー |
Research Abstract |
今年度は拡散過程の古典力学系による導出に関しまして、一定の条件の下で、解の一意存在性及び収束性の証明を完成した。 具体的には、複数の分子が理想気体と呼ばれるたくさんの原子により構成される環境に置かれ、粒子達の相互作用があるポテンシャルにより古典力学系として与えられるとする。即ち、原子達の初期条件にはランダム性が存在するが、初期条件さえ決まれば、系全体は古典力学系に従う。このとき、対応する方程式の解の一意存在性を示し、さらに、原子達の質量が0に収束するときの解の収束性を証明し、収束先の具体的な形を与えた。 また、$\phi3^4$-量子場モデルとフリー量子場の関係に関する研究も行った。一般的に、$\phi_d4$-量子場モデルとは、d次元のNelsonユークリッド・ブリー量子場において、相互作用の主要項がウィック4乗で与えるものとして定義される。この確率測度とフリー量子場との関係が常に興味深い問題として注目されている。今回は、このモデルにおいて、時間0に制限して得られる確率測度とフリー量子場の時間0への制限が互いに絶対連続であるかという問題に着目した。2次元の場合、$\phi_2^4$を含む多くの知られているモデルがフリーのほうと絶対連続であるのに対し、3次元の場合は、特異的になるということを証明した。
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Research Products
(2 results)