2008 Fiscal Year Annual Research Report
グラフマイナー理論と局所変形を用いた曲面上のグラフの多面体的実現についての研究
Project/Area Number |
18740045
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
中本 敦浩 Yokohama National University, 教育人間科学部, 准教授 (20314445)
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Keywords | グラフマイナー / 局所変形 / 多面体的実現 / 三角形分割 / 曲面 / representativity / 射影平面 / 連結度 |
Research Abstract |
2007年, Archdeaconたちは, トーラスの任意の三角形分割は多面体的実現を持つことを証明した. これは, 剛体幾何の問題に位相幾何学的手法を取り入れる画期的な研究であり, それまで停滞気味であった曲面地図の多面体的実現の研究を大きく進展させた. 私たちは, その手法を取り入れることにより, 向き付け不可能な閉曲面の三角形分割から, 1つの面を取り除くき, その多面体的実現を構成するという問題に取り組み始めた. 前年度までの研究により, 射影平面の三角形分割からある面を取り除いて, 多面体的実現が構成できること, さらに, 射影平面5-連結三角形分割から任意の1面を取り除いて, 多面体的実現が構成できることが明らかになっていた. ところが, これらはメビウスの帯の三角形分割の多面体的実現性については, それほど強い事実を保証するものではない. ゆえに, 私たちは平成18年度から20年度までの科学研究費補助金による研究の最終年に, 多面体的実現可能なメビウスの帯を, ただ1つの禁止構造を用いて, 特徴付けることに成功した. 得られた定理は以下のものである : 「メビウスの帯の三角形分割Mが多面体的実現を持つための必要十分条件は, Mがメビウスの帯の境界にホモトピックな2つの3-閉路を持たないことである」これにより, 射影平面とメビウスの帯の三角形分割の多面体的実現についての一連の問題をすべて解決することができた.
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