2007 Fiscal Year Annual Research Report
量子論における不確定性原理の情報理論的表現とその応用
Project/Area Number |
18740064
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
宮寺 隆之 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 情報セキュリティ研究センター, 研究員 (50339123)
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Keywords | 暗号・認証 / 情報基礎 |
Research Abstract |
不確定性関係の一般化: 量子論の基礎となる不確定性関係にはいくつかの形があり,その中でminエントロピーと関係するものとして,Landau-Pollak型不確定性関係が知られている。この関係式はそのシンプルさにも関わらず,扱えるのは観測量がPVMが二つの場合のみであった。我々はこの関係式を一般の観測量(POVM)が任意の個数ある場合に拡張した。 情報撹乱定理の新たな表現: 量子鍵分配を含む量子暗号においてその安全性が保証されるのは,盗聴者の検知を可能とする情報撹乱定理のおかげである。我々は,この定理について情報量を用いた表現を過去に与えてきたが,当該年度においてはFidelityとTrace Normを用いた異なる表現を与えることに成功した。この指標は近年議論されている量子暗号の強い安全性評価に対応している。また,新たなるNo-cloning定理の導出及び,Wigner-Araki-Yanase定理の情報撹乱定理による解釈を与えるなど他の応用にも用いられた。
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