2007 Fiscal Year Annual Research Report
非線型双曲型および分散型方程式に対する零条件の研究
Project/Area Number |
18740066
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
砂川 秀明 Osaka University, 大学院・理学研究科, 講師 (80375394)
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Keywords | 非線型シュレディンガー方程式 / 消散構造 / 零条件 |
Research Abstract |
本研究は、双曲型および分散型の非線型偏微分方程式に対する零条件を確立し、種々の非線型波動現象の背後に潜む数学的構造を抽出することを目標としている。本年度は昨年度後半に引き続き、微分型の非線型シュレディンガー方程式を主たる対象として非線型消散構造の特徴付けを考察した。昨年度の段階では非線型項にゲージ不変性がある場合の考察にとどまっていたが、今年度に入ってからゲージ不変でない場合についての消散構造の特徴付けにも成功した。これらの研究成果は"On the Schroedinger equation with dissipative nonlinearities of derivative type"と題する林仲夫氏、Paval Naumkin氏との共著論文にまとめられ、SIAM Journal on Mathematical Analysisへの掲載が決定している。また、8月に北海道大学で行われた非線型波動方程式に関する国際研究集会においてその研究成果を発表した。本年度当初のもうひとつの計画として、解の最大存在時間の上限の評価(すなわち解の爆発)についての研究も予定していたが、こちらについては特筆すべき成果を得るには至っていない。しかし、「『負の摩擦』が解を不安定化させる」という直観に基づけば、消散構造を調べることと解の爆発の研究とは表裏一体をなしているはずであるから、前者の成果は後者の研究の進展の糸口を与えると期待される。来年度はこの観点から解の爆発についての研究を押し進めていく予定である。
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Research Products
(2 results)