2007 Fiscal Year Annual Research Report
波動方程式の様々な局所平滑化評価式の拡張と統合に関する研究
Project/Area Number |
18740069
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
肥田野 久二男 Mie University, 教育学部, 准教授 (00285090)
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Keywords | Strichartz型評価式 / 局所平滑化評価式 / 重みつき評価式 / 球対称解 / 波動方程式 / 半線型波動方程式 / 初期値問題 / low-regularity solution |
Research Abstract |
平成19年度も前年度に続いて波動方程式のStrichartz型評価式やMorawetz型評価式の拡張の研究を行なった.特に,前年度までに得られていた自由解に対する評価式からChrist-Kiselevの補題を経由して非斉次波動方程式に対する評価式も得られることに着眼して研究を行なった.そして以下のような成果をあげた. 1.局所エネルギーの可積分性評価式とエネルギー保存則から従う重みつきの時間局所的時空L^2評価式と,前年度に得ていた重みつきの時空L^q評価式を,前述の補題を援用して融合し,非斉次波動方程式に対する重みつきの時間局所的評価式を得た.この評価式の応用として,べき乗型非線型項をもつ半線型波動方程式の初期値問題を考察した.球対称な初期値と初期速度をそれぞれL^2と{\dot H}^{-1}の空間からとるとき,時間局所解の一意存在に関して最良の結果が得られた. 2.前年度までに得られていた球対称解に対する時間局所的Strichartz型評価式と,D.FangとC.Wangにより得られていた球対称解に対する時間大域的Strichartz型評価式をChrist-Kiselevの補題を用いて融合すると,非斉次波動方程式の解に対する時間局所的Strichartz型評価式が得られる.C.D.Soggeが空間3次元の場合で示していた評価式が,空間2次元の場合にはこの方針から従うことが分かった.この評価式の応用として,べき乗型非線型項をもつ半線型波動方程式の初期値問題を考察した.空間次元を2とし,球対称な初期値と初期速度をそれぞれ{\dot H}^{1/2-1/p}と{\dot H}^{-1/2-1/p}の空間からとるとき,時間局所解の一意存在に関して最良の結果が得られた.これはちょうどSoggeが空間次元3の場合に得ていた結果の空間2次元版に相当する.
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Research Products
(5 results)