2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740071
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小池 達也 Kobe University, 理学研究科, 准教授 (80324599)
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Keywords | 完全WKB解析 / 漸近解析 |
Research Abstract |
本年度は完全WKB解析によるパンルベ・ヒエラルキーの解の研究を動機として,主としてバンルベ・ヒエラルキーと退化ガルニエ系の関係を調べた. パンルベ・ヒエラルキーにはI型や34型(〓II-1型),II型,IV型の四種類が知られているが,これらは主として可積分系を源に持つ非線型常微分方程式の系列であり,いずれのタイプのパンルベ・ヒエラルキーもその最初のメンバーはパンルベ方程式になっている.他方,退化ガルニエ系はある二階線形常微分方程式のモノドロミー保存変形を考えることで得られる非線型偏微分方程式系である.各タイプのパンルベ・ヒエラルキーは,それぞれある退化ガルニエ系(これは偏微分方程式系である)を複素直線に制限したものと同値である,というのが主要な結果である. この研究により 1.証明の過程で得られたパンルベ・ヒエラルキーと同値な方程式系は,パンルベ・ヒエラルキーのStokes幾何を考察する上でより適した形になっており,その基本的な性質の証明は元々の方程式系の表示を用いるよりも見通しのよいものとなった.2.退化ガルニエ系のハミルトニアンを経由してパンルベ・ヒエラルキーのハミルトニアンが得られる.それは河合隆裕氏-竹井義次氏によるWKB解析の手法を用いたパンルベ・ヒエラルキーの解の性質の研究に用いられてた.等の当該分野の進展が見られた.
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Research Products
(5 results)