2007 Fiscal Year Annual Research Report
不動点理論に基づく非線形関数解析学および非線形問題の研究
Project/Area Number |
18740078
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
厚芝 幸子 Shibaura Institute of Technology, 工学部, 准教授 (20327761)
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Keywords | 不動点 / 非拡大写像 / 擬非拡大写像 / 非線形最適化問題 / 弱収束 / 強収束 / 擬射影 / 制約可能性問題 |
Research Abstract |
本研究は、特に不動点近似を通して非線形関数解析学の様々な理論の再構成やいろいろな非線形問題の解をもとめる研究をすることを目的として研究をしてきた。特に本年度はrelatively nonexpansive mappingの族の共通不動点近似に力を入れてすすめてきた。平成18年度の成果をもとに、不動点定理・非線形エルゴード理論を介した非線形関数解析学の基礎理論体系の確立を確実なものとし、さらにそれをもとに種々の近似法による不動点への収束定理に関する基礎理論の確立およびそれの非線形問題への応用を目標としで掲げて研究をしてきた。これらの目標に関して、いくつもの有効な研究成果を得ることができ、19年度中に論文として発表されたり、論文掲載が決定しているものがある。その主なものとしては以下の研究成果である。最も主だったものはrelatively nonexpansive mappingの族の共通不動点近似に関するものである。既存の補題に相当するものを見直して、そのrelatively nonexpansive mappingに関しで成立するものに再構成した補題を証明し、それをもとに制約可能性問題を意識した、任意有限個のrelatively nonexpansive mappingの共通不動点への弱収束定理をw-mappingを用いることでMann type近似法で証明した。昨年度の結果であるレゾルベントの零点への収束定理より、さらに踏み込んだ結果といえる。さらにHybrid法によるrelatively nonexpansive mappingの族の共通不動点への収束定理も証明している。それぞれの結果を踏まえ、さらに加算個のrelatively nonexpansive mappingに対する収束定理も証明している。これらの結果は、非線形最適化問題の解を見つける問題への応用の足がかりを担っているといえる。特に、任意有限個の写像の共通不動点への収束定理に関するものは、計算機への実装に結びつく話でもあり、制約可能性問題などの非線形問題の解への収束定理に直接結びつく、写像族の共通不動点近似に一定の役割を担っているといえる。これらの成果が内外の雑誌で公表され、また、内外の研究集会で発表もして大変関心を持たれた。これらの事は本研究が今後の研究に結びつくことを裏付けており、また本研究が順調に進み、成果をあげていることを裏付けているといえる。
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Research Products
(14 results)