2007 Fiscal Year Annual Research Report
熱核のgradientのGauss型評価に伴う空間の幾何学的性質の研究
Project/Area Number |
18740084
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石渡 聡 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 助教 (70375393)
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Keywords | 熱核のgradient評価 / gluing / Poincare不等式 / 中心極限定理 |
Research Abstract |
1.連結和の下での熱核のgradient評価についての研究を行った.ある条件を持つ2つの非コンパクトリーマン多様体の連結和をとるとき,連結部分がコンパクトである場合にはPoincare不等式が成り立たないことを用いて熱核のgradientがGauss型評価を持たないことが示されている(Culhon,Duong).Heinonen,Koskelaの定理により連結部分の増大度が多様体の増大度-2より大きいときはPoincare^^´不等式が成立するため,この議論が適用できない.そこで私は昨年度に得られたグラフの変形の下での熱核の安定性とGrigoryan,Saloff-Costeによって最近得られた連結部分がコンパクトの場合の熱核の精密評価を用いて,連結部分の増大度が多様体の次元-1未満なら熱核のgradientはGauss型評価を持たないことを示した(現在投稿準備中).この成果は談話会(岡山大学, 7月),阿蘇幾何学研究会(休暇村南阿蘇, 9月),確率論と幾何学(熊本大学, 10月),談話会(東京理科大学, 11月),福岡大学微分幾何研究会(福岡大学, 1月),リーマン幾何と幾何解析(筑波大学, 2月)において発表した. 2.グラフの変形の下での熱核のgradient評価の安定性を用いてベキ零被覆グラフ上のランダム・ウォークに関する関数解析的中心極限定理の安定性についての研究を行い,変形部分の増大度がグラフの増大度にくらべてある程度小さいならば変形されたグラフをベキ零Lie群にうまく実現することにより推移作用素をベキ零Lie群の劣ラプラシアンに関する半群に収束させることができることを証明した(現在投稿中)
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